ハウスメーカー決定で良かった意思決定ツール
どこで建てるか決めるというのは、意思決定であって、それなら、意思決定ツールのすごく簡単なものでも使ったら役立ちました。
私が参考にしたのは、「世界一やさしい問題解決の授業」(渡辺健介著)。この中のおまけ的に載っていた意思決定ツールを参考にしました。
ポイントは、
1.選択肢を出す。
2.確認要素項目を決めて、ハウスメーカーに確認し、シートを埋めていく
3.要素を衛生要素(ないとだめなもの)、重要要素、できれば欲しい要素に分けていき、次々とハウスメーカーを絞っていく
という方法です。こんな感じでハウスメーカーを書き出して、次々と◯✗をつけていきました
場所(事務所の場所)、 時間(事務所までの時間)、ジャンル(輸入住宅、ハウスメーカー、工務店)、 全館空調(対応可否)、 ガラス(仕様)、屋根断熱(断熱材・スペック)、壁断熱(断熱材・スペック)、床断熱(断熱材・スペック)、Heat20(仕様)、 UA値(仕様)、C値(測定可否、平均値)、予想価格 、デザイン(ネットで建築例から想像)、 依頼(プラン依頼日)、 仕上がり(プラン依頼日とあわせてサービスレベルを推し量るのに使用)、 見積もり
デザイン、C値、価格にてだいぶ絞りました。デザインは輸入住宅のデザインは経験がないところでは厳しいと思ったことと、C値は対応してくれるところが少数だったことと、価格ははっきりと言ってくれなかったところもあって、そういうところは優先順位を下げました。
そういう意味で、この意思決定ツールはおすすめします!
家づくりでは、忘れてはいけないもの「ブリーフ」
「ブリーフ」ってご存知ですか?
ブリーフと言っても下着ではありません 笑。ブリーフは英語でBriefと言って、例えば、プロジェクトの概要、求めているものの要約などを指しています。
本を読みました。家族でたくさん話し合いました。子供の思いも聞きました。すでに建てた人の話も聞きました。たくさんあるアドバイスの中で、自分がどういう家を建てたいか、というのは、まとめておいたものです。
私はGoogle Driveの中に、ハウスというフォルダを作り、それを会社にも共有させて、ふとアタマに思ったこと、ふと家族が言ったこと、ふとネットで知った大切なことなどを入れながら、都度Briefを更新し、完成度を高めていきました。私が作成したのは、こんな感じです。
1.Q1住宅を希望。少なくてもHeat 20 G2
2.C値を測定していること(希望としては、0.5以下)
3.地震保険の割引が適用可能な基準(耐震等級3)
4.全館空調あるいは2台のエアコンにて家全体をカバー
5.窓はアルゴンガス入りトリプルサッシ
6.外壁:30年以上の耐久性
7.ドアも断熱性能の高いもの(輸入品?)
8.オール電化(エコキュート、食器洗い機)、照明についてLED(リビングなど)+ひっかけタイプ(寝室)
9. ダクト排気型、ダクトレス給気の第1種換気、第3種換気。ほこりが家に入らないように
10.1階のリビングについては、無垢材を希望
11.家の壁:耐久性があり、長持ちする素材、かつ健康的な素材を希望
12.空調設備については、故障したとき、メンテナンスの費用も重要な要素
13.四季の中でパッシブデザイン的な要素があり、夏は涼しく、冬は暖かいというようにできるように
14.セキュリティ:軽く効果的な方法は相談したい
15.土地込みで4000万円以下総額でできれば。。
これに間取りと外観のイメージがあれば、完璧だと思います。間取りはネットで取れます。
あなた好みの間取りがきっと見つかる。間取りシミュレーション|注文住宅のユニバーサルホーム
間取り集500プラン|「あたりまえ」の間取り集|ミサワホーム
外観は、Houzzがおすすめです。
ハウスメーカーに行くのであれば、ブリーフもBriefも忘れて行かないように。
おあとがよろしいようで 笑
家を建てるなら、これは必読!私のおすすめの本
家建てるのに、なんで、そんなにたくさんの本、読むの?結構訊かれました。
家を建てる金額を考えれば、2年とか3年とか休んでこれだけ調べてもいいレベルじゃない?とか、思いましたけど、
やっぱり家を建てるやり取りは、「正直不動産」の世界ではないけど、かなりの割合で、騙す・騙されるというゲームみたいのがあるし、悪気がなくても、結果として誤った情報を、それも大切なところで、言われることもあったし。あとは不都合な真実が隠されていたり。
まともな本を数冊読むと、この世界。本気で取り組んで、自分で自分を守らないと、後で取り返しがつかないと思いました。
ダイヤモンド・オンラインの記事によると、「厚生労働省の研究班の発表によると、風呂場での推定死亡者数は年間約1万9000人。全国の交通事故の死亡者数が2839人(2020年警察庁発表による)なので、およそ6倍になる。大半が65歳以上で、毎年12~4月に多く発生している。」
日本の建築基準は、海外に比べると、かなり低レベルの断熱性さえ、まだ義務化されていないのが現実
こんな中では、「知識は武器なり」。バシバシと正しい知識を装備して、ハウスメーカーにもの申し、日本の国の住宅のレベルアップしてもらいたいと心から願っております、ハイ。
多くの本を買いましたが、記憶に残っている厳選書は下記のとおりです。
エコハウスのウソ2 (前真之)
断熱・気密などについて、研究・実験データをもとにどのレベルが必要か、を丁寧に解説した素晴らしい本です。私は最後までこの本を持っていました。判断に迷ったら、この本です。「サステイナブル建築デザイン研究室」の准教授と聞き、納得。どこにも紐付けられていない中立性もこの本の良い部分かと思います
本音のエコハウス (鎌田紀彦)
新木造住宅技術研究協議会(新住研)の代表を務める鎌田氏。室蘭工業大学名誉教授でもあります。私の住宅選びはこの本の影響をだいぶ受けました。例えば、火災の際に有毒ガスを出すような断熱材を避けたり、しましたし、地元の新住研の工務店と接種したりしました。鎌田氏も研究者であり、これまでの研究データに基づいた説明はさすがに頼りになりました。
鎌田氏のYoutubeもなかなか必見です。
https://www.youtube.com/hashtag/%E9%8E%8C%E7%94%B0%E7%B4%80%E5%BD%A6
下記、3冊は建築士による本となります。立場が異なるので、視点も違い、あわせて読むことを強くおすすめします
最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版 単行本(ソフトカバー)(西方里見)
エコハウス超入門 84の法則ですぐ分かる(松尾和也)
ホントは安いエコハウス(松尾和也)
同じ作者によるものなので、どちらか一冊でいいかと思います。
私はマニアになるよりは正解の可能性を高めることが重要かと思いますので、大雑把このくらいの本+Amazon unlimittedで読める本で、だいたいの正解は導けるのではと思います。
参考になると嬉しいです
家の気密性について、ちょっと驚いたこと
これから家を建てる人は気密性C値というものの簡単な理解をもって、必ずC値について、測定・保証してくれる会社でお願いするのがおすすめです。
多くのハウスメーカーとか工務店では、断熱・気密というように断熱と気密をセットで売り文句にしていますが、よく見ると断熱のことしか書いてなかったりします。
断熱性は、断熱材のスペックを上げたりすることで設計段階で、数値として計算することができます。また断熱性を上げることがハウスメーカーにとって、価格を上げ、販売価格に転嫁することもできます。
反面、気密性はC値という数字で出しますが、これは家を建てた後か建てる途中で測定します。やってみないと結果がわからないことと、気密性向上は価格とは関係ないので、ハウスメーカーにとって保証したくないことだと思います。
実際、私は37件のハウスメーカーでC値について、過去のデータと保証する数値を訊きましたところ、
・データなし:30件
・データあり:7件
という結論でした。
ハウスメーカーからの反応としては、
・C値なんて意味ないですよ
・C値って何ですか?
・社外秘です
C値が低い家だとどういうことが起きるか(前の家のことです)
・隙間風が入る、部分的にカビや結露が起きる
・断熱材を上げても冬寒く、夏熱くなる
・虫やほこりが入ってくる
では、どのくらいC値を目指すべきでしょうか。私が本を読んで理解したことは、
・最低限が1以下:これを超えると計画換気のように空気が循環しないようです。また隙間風が入ってくるかどうか、がこのあたりが1つの目安のようです。
・目標は0.5以下:0.5以下だと、隙間風、計画換気の効果も断熱の効果もでてきます。
私は、C値の目標値を持ってくれる会社さんで建てました。しかし、建てる側としてもC値を下げるべく努力も必要です。
・家の形をできる限り直方体にする(でっぱりなどは気密性を下げる)
・引き違い窓を採用しない(下にレールがあり、隙間が空きやすくなります)
・レンジフードは同時吸排型を採用する
おかげさまで、私の家はC値0.21というとんでもない数字を出してもらえました。
C値に注目したおかげで多くのメリットがありました。
・施工が超丁寧になった。C値はハウスメーカーにとってプレッシャーになるようです
・ほこりが少なく、虫が入ってこなくなった
・家の外からの音がほとんどなく静かになった
海外ではC値を法律で制限しているところがあるようですが、日本ではそのような法律はありません。どうしてかというと、日本の大手ハウスメーカーの中に工法的に気密性がでない会社があるようです。ハウスメーカーからの提案によって、日本の政府はC値の制限を盛り込んでいないのではということです。
私は輸入住宅というアプローチから始めましたので、1つ1つの会社に確認しましたが、もしC値だけに着目してハウスメーカー・工務店探しをするのではあれば、「気密測定技能者従事事業所」のリンクから探してみるのは面白いアプローチだとおもいます。自分で測定していれば、もちろん気密性を重要視しているということですので。
気密測定技能者従事事業所|一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター
家を建てるには、まずKindle Unlimited会員になるのが良かったこと
ハウスメーカーや工務店でいろいろと真逆の情報を言われたことをきっかけに、本当に正しいことはなんだろうと調べることにした。
情報のソースはいろいろとあります。お金のかからない順に、
①ネット検索
②図書館で本を借りる
③本を買う
ですが、ネット検索は信用できない情報も多く(そういうのに限って上位検索される)、図書館はあまり蔵書が多くなく、情報がやや古いものが多かったりしました。本を相当買いました(おそらく50冊以上)。何千万の買い物なので、10万円くらい情報収集を利用してもいいのかも、と思いますが、一番の問題は本は買うまで、欲しい情報があるかどうか、という点です(要はあたりハズレがあること)。買って、目次だけ読んで処分した本が何冊あるか!
そういう意味ではKindle Unlimitedは一番良かったです。家を建てる情報で欲しいものがあれば、ここでキーワード検索して、本を借りるという方法を取りました。
・家について(一般的な情報・断熱・気密・間取り)
・外構工事
・火災保険
・住宅ローン(団信の選び方)
・コストを抑える方法
などなど。
私のおすすめの本としては、
◯ 一条工務店に日本の家作りを託す フエッピー (著)
一条工務店でという方もそうでない方も、家についての考え方で参考になる点が多いと思います。常識でハウスメーカーも思っていることも違う考えもあることもよくわかります。特に、最後のチェックリストは役に立ちます。
◯はじめて家を建てる!: 理想の暮らしを実現する 家づくりの教科書 かえる家づくりメソッド (かえるけんちく相談所) 船渡 亮 (著)
はじめて家を建てる際の入門書として読んでよかった本です。家の考え方とか、用語とか、予算とか、工法とか、あと見積書の読み方など、必要な情報が入っています。
◯最高のハウスメーカー&工務店の選び方2021: [特集]人生100年時代の家づくり
船渡 亮 (著)<
同じく、最初に読んで勉強する本としてとてもいいです。船渡氏はKindle Unlimitedで無料本を沢山だしています(私はすべて読んでいないけど)。
おしゃれで、高性能で、コスパのいい家を目指すことにした
妻と話をして、目指すお家のイメージを大雑把にまず固めた
①私は高断熱・高気密。冬は暖かくて、夏は涼しい
②妻は、フレンチとかスパニッシュのような海外のきれいな家を建てたい
③コスパは重要。決められた予算の中で建てられる会社を探す
次にどこからアプローチするか、という疑問が出た。
・輸入住宅というキーワード
・高気密・高断熱というキーワード
・ローコストというキーワード
結論はこれからになるが、私たちは50社弱と接触した。結果、わかったことは、
・すべてのメーカーは輸入住宅系の家は建てられると答えるものの、過去の施工事例(訪問したり、ホームページで見る)を見る限り、輸入住宅専門やラインナップにない限り、期待するようなデザインにはならないこと
・輸入住宅メーカーは、大雑把に下記のように分類された
① ブランド系(ハイコスト・ハイクオリティ):スウェーデンハウス、三井ホーム
② ローコスト:ロビンスジャパン、ローカル系
③ クリエイティブ系:モルタル成形が得意だったり、意趣を凝らしたり、アンティーク調のデザインが得意
④ ミディアムコスト:フランチャイズ展開などで全国展開しているところが多い ⇨ セルコホーム、GLホーム、メープルホーム
私たちは、④の選択肢になりました。
ブランド系は高くて手が出なく(坪単価80~100万円以上)、ローコスト系とクリエイティブ系は気密・断熱については、納得にいくような会社をみつけることができませんでした。またクリエィティブ系は、納期が長く、先々半年はスケジュールが埋まっているという感じでした。
ミディアムクラスはわりかしデザイン、価格、住宅性能もしっかりとしているところが多く、結果として、私達の選択肢はここからになっていきました。
おしゃれで高性能な家って贅沢なことなのだろうか
このブログを書くきっかけになった私の思いについて書きたい。
ハウスメーカーや工務店周りをはじめて、2ヶ月。接触したメーカーは40件を超えた。いろいろな会社があった。
超大手・有名なハウスメーカー。当然ながら価格も高価
とにかく価格優先で安さ勝負なところ
回れば回るほど、それぞれの会社は他の方法を批判し、自社が以下に優れているか説明する。
アクアフォームはグラスファイバーを批判する
アルミサッシは樹脂サッシを批判する
会社と話せば話すほど、ほんとの正解が見えてこなくなる
という事実の中、私はある思いを持つ。
自分の好きなデザインの家でかつ当たり前のこと(冬暖かく過ごし、夏涼しく過ごす)は、人間にとって当たり前の権利だと思う。当たり前の権利であれば、それをリーズナブルな価格で購入できるのも当たり前の権利だということ。
それを自分で叶えて、そして、人にも叶えてもらいたいと思った。
そのためには、自ら勉強して知識を得る必要があった。