家の気密性について、ちょっと驚いたこと
これから家を建てる人は気密性C値というものの簡単な理解をもって、必ずC値について、測定・保証してくれる会社でお願いするのがおすすめです。
多くのハウスメーカーとか工務店では、断熱・気密というように断熱と気密をセットで売り文句にしていますが、よく見ると断熱のことしか書いてなかったりします。
断熱性は、断熱材のスペックを上げたりすることで設計段階で、数値として計算することができます。また断熱性を上げることがハウスメーカーにとって、価格を上げ、販売価格に転嫁することもできます。
反面、気密性はC値という数字で出しますが、これは家を建てた後か建てる途中で測定します。やってみないと結果がわからないことと、気密性向上は価格とは関係ないので、ハウスメーカーにとって保証したくないことだと思います。
実際、私は37件のハウスメーカーでC値について、過去のデータと保証する数値を訊きましたところ、
・データなし:30件
・データあり:7件
という結論でした。
ハウスメーカーからの反応としては、
・C値なんて意味ないですよ
・C値って何ですか?
・社外秘です
C値が低い家だとどういうことが起きるか(前の家のことです)
・隙間風が入る、部分的にカビや結露が起きる
・断熱材を上げても冬寒く、夏熱くなる
・虫やほこりが入ってくる
では、どのくらいC値を目指すべきでしょうか。私が本を読んで理解したことは、
・最低限が1以下:これを超えると計画換気のように空気が循環しないようです。また隙間風が入ってくるかどうか、がこのあたりが1つの目安のようです。
・目標は0.5以下:0.5以下だと、隙間風、計画換気の効果も断熱の効果もでてきます。
私は、C値の目標値を持ってくれる会社さんで建てました。しかし、建てる側としてもC値を下げるべく努力も必要です。
・家の形をできる限り直方体にする(でっぱりなどは気密性を下げる)
・引き違い窓を採用しない(下にレールがあり、隙間が空きやすくなります)
・レンジフードは同時吸排型を採用する
おかげさまで、私の家はC値0.21というとんでもない数字を出してもらえました。
C値に注目したおかげで多くのメリットがありました。
・施工が超丁寧になった。C値はハウスメーカーにとってプレッシャーになるようです
・ほこりが少なく、虫が入ってこなくなった
・家の外からの音がほとんどなく静かになった
海外ではC値を法律で制限しているところがあるようですが、日本ではそのような法律はありません。どうしてかというと、日本の大手ハウスメーカーの中に工法的に気密性がでない会社があるようです。ハウスメーカーからの提案によって、日本の政府はC値の制限を盛り込んでいないのではということです。
私は輸入住宅というアプローチから始めましたので、1つ1つの会社に確認しましたが、もしC値だけに着目してハウスメーカー・工務店探しをするのではあれば、「気密測定技能者従事事業所」のリンクから探してみるのは面白いアプローチだとおもいます。自分で測定していれば、もちろん気密性を重要視しているということですので。
気密測定技能者従事事業所|一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター